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2005年11月24日の記事
三世代で「家族力」を育てよう
<お話を伺った方>東京大学大学院教育研究所 亀田 憲治 教授

■「家族」というチームに今、何が起きているか
子どもを伸ばす家庭教育とは、単なる子育ての秘訣に留まらない、夫婦の関係や親子関係を含めた、「人間の生き方」の教育といえるでしょう。
家庭を作っている家族とは、‘違い’を持った個人が集まってできた、いわば「チーム」。チーム力が高いと「家族力」も増すことになります。ですから、家族内でのチームワークには工夫が大事です。
ですが、現状ではどこを見渡しても,このチーム力=家族力をつけるためのトレーニングの場がないので、夫婦や親子がうまくぶつかりあうスキルが育たないのが実情です。
さらに背景として、経済活動を中心としたグローバル化の影響をうけて、日本も集団主義から個人主義の傾向が強まっており、「家族システム」が弱体化しつつあります。そして、この結果,不登校やひきこもり、あるいはニートなどの社会問題が起きているという現実があります。
■家族のコミュニケーションを促進する方法
私はこれらの問題に対して、家族療法をベースとした[家族イメージ法]や[家族粘土法]を通じて、長年、解決のサポートと研究を試みています。
後者の「家族粘土法」で使う粘土は、遊戯療法や芸術療法の分野ではよく用いられているものですが、これは面接室内で家族が共に粘土の触感を共有し,造形活動を楽しんでいくという方法です。
一見ただの遊びに見えますが、そうではありません(笑)
なんらかの問題を抱えている家族が,心の内にある想いを粘土を通して表現していくことにより、相互理解を深めるきっかけを見出していきます。今では、臨床心理士や家族相談士,あるいは保育士の養成にもこの方法を用いています。
この‘遊び’を通じて、特に大人にとっては、退行した感覚を思い出す効果があると考えられます。これにより、自分の子どもの頃を思い出してもらう。これは、子育て、孫育ての原点といえるかもしれません。
■三世代という家族チーム
特に団塊世代を含むそれより上の世代においては、育児は妻が行うもの、という価値観の元に時代を駆け抜けてきていることもあり、孫育ては、ある意味「はじめての子育て」に近い感覚ともいえます。
家族療法的カウンセリングでは、この祖父母性や家族関係における祖父母の役割を、より重視しています。
実際、最近では「マスオさん現象」をはじめとする三世代同居の家庭状況が増えつつあります。土地の高騰による同居の必要性や、女性の就業率の向上により、まだ心身ともに余力のある祖父母による子育て支援の必要性などが指摘されていますが、簡単にいえば、核家族では得られないさまざまな利点を、三世代同居という家族形態が持っていると判断されたからでしょう。
「家族力」の向上にむけて、これからは三世代という家族チームのコミュニケーションについても、ますます目が離せなくなりそうです。
<参考文献:亀口憲治著 「家族力の根拠」(ナカニシヤ出版)>
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